25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 21:48:32.58 ID:Ha53zHbko
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秋はいつの間にか始まって、いつの間にか終わるものらしい。
十一月ともなると、雪は降らないまでも乾いた風は斬りつけるような冷たさだ。
もうじき冬が来る。
僕ははっきり、あいさんのことが好きだと自覚した。
好きだと言ってから自覚するのもおかしな話だが、ともかく、僕はあいさんが好きだ。
恋と言うと少し幼いような気もするが、彼女のことを考えればまぶたの裏側はほんのり温かで、
舌の根は不安げに冷たい。
そして、ピースの煙を吸い込んで、意識を吹き飛ばしてばかりだ。
僕は代わり映えのしない風景の中に居て、ただ場面が流れているのに身を任せていた。
あいさんのことを好きだと言った時も、彼女が立ち止まって、また歩き出したのを追った。
追っただけだ。その後はお互いにまるでなにもなかったみたいにしていた。
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