過去ログ - 東郷あい「ピースの匂いがする」
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36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 22:07:51.31 ID:Ha53zHbko
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 仕事の終わりや、オフの日。
 太陽が半分ほど隠れる時間に、例の高架下へ二人で座り込んだ。

 秋の風は冷たくて、震えながらアルトサックスの音で暖を取った。
 十一月の風景の中に座り込んで、枯れ葉が落ちていくのを見つめた。

 一日、一日、気温が下がっていった。
 僕とあいさんは、寒いからと暗黙の言い訳をしながら、徐々に互いの座る距離を縮めた。
 ほんの数十センチの違いなのに、互いに寄り添うと体温や呼吸、気持ちさえ驚くほど間近に感じた。

 高架下のサックス吹きはフォーレのシチリアーナや、
 アルルの女第二組曲のメヌエットを吹いてくれた。

 相変わらず消え入りそうな掠れた音で。


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