過去ログ - 勇者「もう勇者なんてやめたい」
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11: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/10/09(木) 10:02:42.57 ID:sthOuHbb0
彼の話によると、あの場は戦闘で大分混乱し、気絶していた私を見ている者はいなかったようで、それで皆の目を盗んで私をさらってこれたようだった。
聞けば聞く程自分が情けない。

勇者(だけど…)

勇者「どうして私を殺さなかったんですか?」

こちらとしては当然の疑問に、暗黒騎士のため息が聞こえた。

暗黒騎士「殺されたかったわけか?」

質問を質問で返され、答えをはぐらかされた気がした。だけど、その質問につい――

勇者「…そうかも」

本音がこぼれた。
暗黒騎士の表情は相変わらず見えないが、彼は言葉を詰まらせたのか、それとも言葉の続きを待っているのか、返事はなかった。

勇者「処刑とかは怖いですけど…気絶したまま死ねるのは、楽だし」

暗黒騎士「驚いたな、勇者の口からそんな言葉が出てくるとは」

勇者「だって――」

言いかけたが、呑み込んだ。
仲間達からの叱咤、人々からの期待、そんな重圧から逃げ出したいと思っていたなんて――
勿論、積極的に死にたい気持ちがあるわけではないけど、勇者としての生き方に希望を見いだせなくなっていたのも事実だった。


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