18: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2014/10/09(木) 20:17:16.94 ID:sthOuHbb0
その後着替えやらメイクやらのお世話になっている間、メイドは聞いてもいないのに次から次へと喋っていた。そしてメイドが言うには、自分は暗黒騎士に見初められて連れてこられた、ということになっているらしい。
勇者(つ、つまり、彼のお嫁さんに…)
メイド「はい鏡をご覧になって〜。見違えたでしょう」
勇者「わぁ…」
鏡に映った自分の姿に思わず胸が踊った。
旅に出てからはお洒落から遠ざかっていた私にとって、久々に見る「女らしい」自分の姿だった。
勇者「あ、ありがとうございます〜。メイドさん、センスいいですね!」
メイド「でしょ〜?暗黒騎士様、もう入ってきていいですよ〜!」
勇者「あ…」
暗黒騎士「…」
暗黒騎士と入れ替わるようにメイドさんが部屋から出ていき、今、部屋には彼と2人きり。
何だか胸がドキドキする。
暗黒騎士「…言っておくが妻というのはお前をここに置いておく口実だ。本気にしなくていい」
勇者「そ、そうですよね!わかってますとも、えぇ!で、でも!バレないんですか!?」
暗黒騎士「お前次第だ」
どうやら魔王軍の幹部が人間の妻を娶ることはそう珍しいことでもないらしく(しかも複数の妻を娶るのも当たり前)自然に振舞っていればほぼ怪しまれる危険はないそうだ。
勇者「だけど「ほぼ」っていうのは…」
暗黒騎士「俺は女に興味がないと思われている」
勇者「つまり、妻を娶ったこと自体が変に思われるかもしれないんですか…」
暗黒騎士「まぁ変わり者の俺が見初めた女という設定には合うかもしれん。お前は変な女だからな」
勇者「へ、変な女…」
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