57: ◆WnJdwN8j0.[sage saga]
2014/10/11(土) 20:14:34.09 ID:2A0syDT30
暗黒騎士「ここなら誰も来ないだろう」
そう言って彼は兜を脱ぐ。よく見ると少しだけ脂汗が滲んでいる。やはり、暑かったのか。
超人のような活躍を聞く彼でも、そんな所は人間らしい。
暗黒騎士「どうした笑って」
勇者「新鮮でいいですね、こういうのも」
暗黒騎士「そうか。まぁお前が嫌でないならそれでいい」
勇者「嫌だなんて。世間体の為とはいえ、わざわざありがとうございます」
暗黒騎士「わざわざという程でもない。俺にも気分転換が必要だしな」
勇者「そうですよね…毎日お疲れ様です」
お疲れ様、というのもおかしな表現だと思った。彼は人間と戦っているのだから。
だけど自分が無関係になってしまったせいか、それとも彼を贔屓しているせいか、彼が悪いことをしているという実感はない。
暗黒騎士「魔王軍に入ったばかりの頃は、ここでよく考え事をしていた。お前のようにな」
勇者「貴方でもそんなことがあったんですか」
暗黒騎士「お前程ではないが、俺も陰気な方だからな」
勇者「かもしれませんね。どんな考え事をしていたんですか?」
話してくれるとは思わなかったけど聞いてみた。だけど彼は、躊躇なく答えた。
暗黒騎士「人間を裏切ったことについて、な」
勇者「!」
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