23: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/10/08(水) 18:52:32.82 ID:B+mP747VO
「そ、そ、そんなことはない……み、みんなもいるしな……」
星は基本、独りだった。
他のアイドルたちと仲が悪い訳ではないが、いつも僕の机の下で膝を抱えて、自問自答を繰り返していたのではないか。
彼女は、ずっと独りで孤独と戦って来たのだ。
「フヒ……そ、それに、ぷ、プロデューサーとわ、私は……し、し、親友……だから」
「お、ランクアップしたじゃないか」
友達から親友に格上げだ。
これは素直に嬉しい。
星のように何を考えているのか今いち把握し辛い子は、ストレートに想いを教えてもらうに限る。
「だ、だから……名前で呼んでも、いいか……?」
「星……」
ああ、なんだ。
この程度で良かったんだ。
何も特別なことは必要ない。
異なる面を併せ持つ少女は。
星は、信頼出来る友人が欲しかっただけなのだ。
「勿論だ、星。これから二人で伝説を作ろうぜ」
「フヒ……キノコ伝説……」
……キノコ伝説?
「あ、明日はディナアに来るのか……こ、暦?」
「勿論だ、楽しみにさせて貰う」
現役アイドルの手料理だ。
楽しみじゃない訳がない。
「ふふ…………」
その時、僕の髪を梳きながら笑う星の顔は年相応に無邪気で、可憐なものだったのだ。
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