7: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/10/08(水) 18:17:36.17 ID:B+mP747VO
それに星が手ずから育てたキノコともなれば是非ともご馳走になりたいところなのだが、
「でもごめんな星、今日は残業確定なんだ」
「そ、そうか……残念だ……」
しおらしくしゅんとなる星。
普段こそ変わっている星だが、こういうところは年相応なんだよな……。
担当アイドルの作ってくれたディナーなんて身を分裂させてでも行きたいところなのだが、さすがに仕事を放り出して行く訳には行かない。
ううん、悪いことはしていないんだけれど罪悪感。
「そ、そうだ。明日はどうだ?明日なら――」
「あ……お、おはようございます……」
と、意気消沈する星を立ち直らせるべく提案するも、その声は語尾に行くにつれ音量が小さくなっていく挨拶にかき消された。
振り返ると、森久保がいた。
向けられた僕の視線から逃げようとしているのか、半身を後ろに引く。
「おはよう森久保」
「か、帰ってもいいですか?」
「駄目に決まってるだろ、今日は森久保の大好きな撮影だぞ」
「好きでもないし帰りたいんですけど……」
相変わらず後ろ向きな奴だ。
アイドルをやめたい、とは言わなくなったし、前よりも現場で逃げる確率は減ってきているのはいい傾向だけれど。
ああそうだ、星へフォローしなければ。
「明日はどうだ星、明日なら夜空いているぞ」
「ほ、本当かプロデューサー……」
「ああ、本当だ。僕は生まれてこのかた嘘をついたことがないんだ」
それこそ嘘だが、約束は守るというアピールは出来ているはずだ。
「もし、う、嘘だったら?」
「男が一度した約束だ。何があっても行くよ」
「そ、そうだな……トモダチ、だからな……と、トモダチはトモダチに嘘をつかない……フヒ」
「プロデューサーさんはよくもりくぼに嘘をつくんですけど……」
「そんな馬鹿なことがあるか。そうだ森久保、お前もどうだ?」
「え……?」
星と森久保は生息領域(机の下)が近いから気も合うだろう。
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