過去ログ - 響「赤月の夜空に、ごきげんよう」
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/09(木) 00:38:57.73 ID:QYxfMoaZo

そんな世間話が、ぴたりと止んだ。


「あ、小指が……」

「おや、思っていたよりも時間が経っていたようですね」


貴音の右手の小指が徐々に消えてく。

気付くと、膝下もほとんど見えなくなってた。


「みんな、今の貴音を見たらびっくりするかな」

「二人だけの秘密ですよ、響」

「うん、分かってるって」


事務所に入るよりも前。

三年前からの、二人だけの秘密。


「月、だいぶ欠けてきたね」

「ええ、これほどまでに欠ければ、わたくしの眼でも分かります」


僅かに残った貴音の手のひらが、自分の手に重なった。


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