過去ログ - ラブ「大丈夫ですか?」湊耀子「・・・え」
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2014/12/20(土) 16:13:04.11 ID:+cP+DRA70
手塚「・・・」
手塚はどこか悲し気に言う湊に、質問をかけることもなく、コインを見始めた。この時の手塚はいつもと違い、意識を集中させてコインを見る。余程本気を出している様に見えた。
そしてツキンと手塚の脳に一瞬だが、頭痛が走り何かが脳裏に過った。
やがて何も見えなくなったのか、コインから目を離した。
手塚「・・・残念だが、この世界には来ていないみたいだな」
湊「・・・そう」
手塚の出した答えに湊はやはりか、と言った表情で特に残念そうにも、悔しそうにもせずただただ俯くだけだった。
手塚「ただ・・・」
湊「ただ?」
手塚「そいつは死んではいるが、どこかで見守ってるのかもしれないな」
湊「・・・何か見えたの?」
手塚「平和な町と・・・無邪気に遊ぶ子供が。そいつは自分の居る世界を見守り続ける気なんだろ。だから、この世界に来る気はないだろうだな」
湊「・・・」
手塚「他にはあるか?」
湊「・・・いえ、それだけ聞けて満足よ。ありがとう、手塚君」
湊は本当に、聞く事が無くなって微笑みながら満足そうに言う。
手塚「・・・そう言えば、アンタの名前聞いてなかったな」
湊「私は、湊耀子よ。よかったら、また会える様にアドレス交換はどうかしら?」
手塚「ああ。いいぞ」
そう言ってお互いポケットに手を入れて、携帯を掴み取り出した。その出した携帯を見て、お互い不思議そうな顔をした。
湊「ガラケーなのね」
手塚「何だその板みたいな物は」
お互い同時に感想を言うと、えっ、とした顔で見合う。湊が持っているのは好みの色でカラーリングされているスマートフォンで、手塚が手にしているのは湊からしてみれば大分古い機種の俗に言うガラパゴス携帯である。
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