過去ログ - ラブ「大丈夫ですか?」湊耀子「・・・え」
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415:1[saga]
2015/07/20(月) 21:54:25.76 ID:pIbwvY4Y0

 ラブ達はレミから美希の弟、一条和希が学校で倒れて病院に運ばれたと聞かされ病院に来ていた。
 しかし病院に着くと、和希は待合所のソファに腰を掛けて美希が声を掛けると、第一声に「ごめん!」と申し訳なさそうに手を合わせて謝った。
 話によれば軽い貧血でもう帰れるとのことだが、体の弱い和希を美希は気遣って入院してはどうかと迫りつつ聞く。和希は苦笑いで「大袈裟だよ」とやんわりと断られる。
 和希は幼い頃にレミと美希の父親が離婚して、度々会う事しかできないので若干過保護になる傾向があるのだ。
 美希がラブに「心配し過ぎだよ」と言われて黙り込み、祈里が「大したことなくてよかった」と言った時、一人の車椅子に乗っていた少女がシフォンを見つけて「クマちゃん可愛い!」と抱き上げた。車椅子を押していた母親らしき女性が言った名前からして、千香と言うらしい。


 その頃、占い館ではサウラーが少し遅く目を覚ました。窓の所々破れたレースからは大きさが異なる光が床に滲みの様に零れる
 まだ目が朝になれないのか目を瞑ったままサウラーは胸を上げて上半身を起こそうとするが上がらない。「ん?」と疑問に思い目を瞑ったまま再び背中に力を入れて胸を上げようとするが、どうしても上がらない。
 サウラーは少し息を荒くして、本で読んだ金縛りじゃないのかと思い目を片方開ける。 


 サウラー「・・・のわぁああああ!!?」


 サウラーは目が目を開けてまず見えたのは、大きな黒い塊と真っ赤な目だった。


 サウラー「ウエスタァアーーっ!」


 ウエスター「ほう、はうらー。ほはひょう」


 サウラー「おはようじゃなくて、こいつを僕の部屋に入れるなと何度言わせれば気が済むんだっ!」


 サウラーはいつも3人が集まる部屋のドアを蹴るように開けるや否や、ウエスターに手に抱き抱えている何かを見せながら怒鳴り込む。
 半熟に焼けた目玉焼きをトーストに乗せて、先に目玉焼きだけを器用に食べていたウエスターは挨拶をする。ウエスターと向かい合ってウエスターと同じものを食べているイースはチラッと咀嚼しながらサウラーを見て、気付く。

 
 イース「あら、またバッタさんと寝てたの?いいわねぇ〜」


 サウラー「よくない!飼い主なら、いい加減にこいつに躾を覚えさせるんだっ」


 ウエスター「怒る事ないだろう?なぁ?バッタさぁ〜ん」

 
 サウラーが手に持っていたのはバッタさんだ。しかし、デカイ。間違いなく虫かごに入らないくらいデカくなっていた。
 全長は30cmくらいで、明らかに虫の大きさではない。 


 イース「いいなぁ・・・」


 サウラー「何か言ったかいイース」


 イース「何も。でもびっくりよねぇ〜・・・まさかこんなに大きくなるなんて」


 イースは腕の中で頭を撫でていたウエスターから一言「貸して」と言い、ウエスターに「ああ」と許しを得てバッタさんを抱き上げる。
 最初、イースはウエスターにバッタさんの事を可愛いいと思われるのを避けていたんだが次第にバッタさんと遊ぶウエスターを見て、少しいつもの自分を見せながらウエスターにバッタさんと遊びたいと言い、そこから何かが崩れ去りバッタさんにべた惚れし始めたのだ。
 そんなことはさて置き、何故バッタさんがこんなにまで大きくなってしまったのか説明しよう。
 事の始まりは、イースがバッタさんにドーナツの欠片をあげたことから始まった。その時は、まだ掌サイズだった。
 だがその次の日にもイースがバッタさんにドーナツをあげ、また次の日にもドーナツをあげたのだ。しかも欠片からそのまま入れたりすることも増えて言っていたそうで。
 それを日に日に重ねていき、ある日の朝、ウエスターがバッタさんが入っていた虫かごが壊れていて、サウラーが犯人だと推測し急いでサウラーの部屋に殴り込むような勢いで部屋に着くと、先程の現状と同じような状態になっていたそうだ。

 
 イース「バッタさぁ〜ん」


 イースがバッタさんを呼ぶと、バッタさんは触角でイースの頬を撫でる。それにイースは目を細めて幸福感に浸る、
 サウラーはそれを見て、背筋に悪寒が走る。
 

 ウエスター「あ、そうそう。こいつを見てみろ」


 ウエスターは机の上に置いたのは読んでいた雑誌の1ページだった。サウラーが記事の内容を読む。内容は「子供たちに大人気、プリキュアとマリカの正体を追え」と書かれていた。
 サウラーは「大したものだな」と言い、イースはバッタさんを撫でながら「忌々しい」と少しいつもの様にプリキュアを憎む。
 しかし、ウエスターは載っている写真に写っている建物の屋上に立っている自分を指して「どうして俺はこんな扱いなんだ!」と不満そうに文句を言った。
 イースは「そこなのね」と呆れた顔でウエスターを見ながらバッタさんを撫でる。
 

 ウエスター「俺だって頑張ってるのにぃ〜〜〜っ!なぁ〜?バッタさ〜ん」


 イース「アンタが今まで何か成功したことあるの?情けない結果ばかりじゃない。ねぇ〜?バッタさん」


 ウエスターとイースはバッタさんを撫でながら、お互い何かしら口喧嘩をする。サウラーは馬鹿馬鹿しくなり、ウエスターが作っておいてくれた自分のトーストを齧る。


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