過去ログ - ラブ「大丈夫ですか?」湊耀子「・・・え」
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433:1[saga]
2015/10/04(日) 00:24:18.17 ID:tGf6qTQH0

 イース「くっ!」


 イースは連続で攻めているつもりなのだが、疲労の色が徐々に出始めて肩で息をしている。
 それに対してマリカは息を荒くするどころかイースが仕掛けてくるのを待つ余裕を見せる。


 マリカ「どうしたの?それでおしまい?」

 
 イース「だっ・・・黙れっ!」


 イースの左フックがマリカの右頬目掛けて襲いかかる。しかしマリカは避けようともせず、イースの拳が当たる前に手首を掴む。
 イースはすぐさま右のフックを打ち込もうと左手を引っ込めようとしたが、マリカが受け止めた手でイースの拳をガッチリと掴んでいて離させない。
 ゲネティックグローブは握力は一般成人男性の20倍以上に及ぶ。自ら拳を引き抜こうとするのは簡単にはいかないのだ。
 マリカは掴んだイースの手を少し離して自分によく見える様にすると、マジマジとイースの拳を見る。


 イース「な、何のつもりっ!離しなさいよっ!」


 イースは必死にマリカから拳を引き離そうと左手を引っ張り、右手でもマリカの手を開かせようとするが全く開かない。
 マリカはイースが抵抗しているのを無視してイースの拳を見続ける。
 イースの手を包み込んでいる長手袋は所々穴が開いており、生地の表面も擦れていてボロボロになっている。


 マリカ「・・・傷だらけね・・・それほど修羅場を潜り抜けたってところかしら?」


 イース「!?」


 マリカの言葉にイースは抵抗するのを止めた。すると、マリカはイースの手を離した。
 イースはマリカの言葉に気を取られて離されたことに気付かない。マリカは先ほどまで抵抗していた筈のイースが何もしてこないのに不思議そうに首を傾げるが、まぁいいかと背を向けた。


 マリカ「また今度相手してあげるわ。今は急いでるから」


 イース「ま、待ちなさいっ!」


 イースはマリカが振り返っているマリカの肩を掴もうとする。しかし、イースの胸下辺りに激痛が走る。
 痛みを堪えて下を向くと、マリカの肘がイースの鳩尾を突いていたのだ。


 イース「ふっ・・・ぐぅっ・・・」

 
 イースは数歩後ろに下がって、膝から崩れる。


 マリカ「・・・そんなにまで私に勝ちたいのなら。まず・・・ピーチ達を倒すことね」


 イース「なん・・・っ、ですってぇ・・・」


 マリカ「ピーチよりも強い私を倒せるはずがないわ」


 イース「!!」

 
 マリカはローズアタッカーのリリーススイッチを押してビークルモードにする。シートに跨りハンドルを握ってアクセルを吹かす。
 そしてそのまま屈みこんでいるイースを置いて、その場から去って行った。

 
 イース「・・・うっ・・・ぅぅ・・・」


 イースの目から涙が溢れ出る。
 これでマリカと戦いを挑んで二度、敗北したのだ。悔しくないわけがない


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