281:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/25(土) 10:16:29.47 ID:03E+klrX0
別に、涙が出るとか、そういうことはなかった。ただ空虚だった。
その理由が分からない。なぜ一色を冗談と分かっていながらも責めたのかも分からない。
今の俺に分かること。空気の冷たさと、MAXコーヒーの甘さと、きっと今一色が泣いている、ということ。
…………どうすりゃいいんだよ…。
何も思い浮かばなかった。
寒さで脳は冴えているのに、何も答は見つからない。
暗闇を走っているというよりは、何もない真っ白な空間に居る様な感じだ。
そこには答なんてないかの様な、いや、むしろ全てが答である様なそんな感覚。
ーーーMAXコーヒーを飲み終える頃には俺の身体は充分に冷えていてくしゃみを連発した。
マジで風邪ひきそうだ…。
八幡「…………帰るか…」
独り言をポツリと空気に馴染ませるとスッと立ち上がり、空いたMAXコーヒーを捨てると帰路へついた。
………帰ったらどんな顔して会えば良いんだ?何て言ったら良い?
そんな事を考えている間に一色家に着く。
立ち止まっていても風邪をひくだけなので中へと入った。
一色の部屋のドアは空いていた。
………俺が出た時開けっ放しにしちまったのか?
恐る恐る部屋の中を見る。
八幡「……ん?」
部屋の中には、誰もいなかった。
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