9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/12(日) 00:45:46.82 ID:uu7gjsO4O
その日はレッスンのあと、独りで家に帰りました。
玄関で待っていてくれたお弟子さんに、一言「ご飯はいらない」とだけ言って、自分の部屋に向かいます。
早くこの「悪夢」から逃れたかった。
荷物を床に投げ、コートも脱ぎ散らかしたまま、ベッドに横になります。
真っ暗な部屋の中。
次第に感覚が鈍っていきます。
無音、無光の世界。
もう目を閉じているのかどうかも、これが現実か、夢なのかどうかも分かりません。
そのまま、真ちゃんの仕草や、腕の中の温もりを思い出そうとしました。
何度も、しました。
けれどそれらは、浮かんでは消えていくばかり。
まるで世界から断ち切られてしまったかのような孤独。
絶望を伴った、圧倒的な孤独。
私がもっと、真ちゃんの瞳を見て想いを話せていたら……。
誰もいない闇は、真ちゃんとの記憶だけ残して、私から全てを奪っていきますーー。
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