過去ログ - 劇場版アイマスで水瀬家に宿泊した志保のお話 抄
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15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/12(日) 11:58:51.05 ID:NHNSY0P+o

 コンコン。

「!」

 部屋の扉がノックされた。今が何時かは定かでないが寝る前の時間に伊織先輩と話し込んでそれから一眠りしたあとだ。
 夜明けはまだのようだが、深夜もいいところ。私のあげた泣き声が周りから苦情がくるほどだったのだろうか。

 それよりもなによりも、アイドルの先輩に身体をゆだねている状況で人が訪れるのはまずい。
 私自身が応対するにも散々泣きはらしたあとなので人に見せられるものではないし、ただの客室の来訪者を家主の伊織さんが応対するのもおかしいだろう。

「お嬢様。先ほどご所望されたものをお持ちしました」

「……メイドさん、ですか?」

「ああ、さっき頼んだのよ。あれだけ喋ったんならノド乾いているでしょ? 入って」

 深夜の客室に女の子二人。家主が客人と同衾状態であるという、どうしたって言い訳のきかない状態であるにも関わらず、伊織さんが来室を許可してしまった。

「や……っ、人に、見られる……」

「かまやしないわ。客人のウワサ話をよそでするような躾られ方、ウチのメイドはされてないから」

「失礼します」

 せめて布団の中に隠れようとするもそれより早く、主人に忠実なメイドさんは部屋の扉を開けてしまう。
 シルバー色をしたラックに水差しとアイスバーレルが載せられているのを確認したところで、伊織さんに覆い被さられて視界を塞がれた。

 記憶が途切れる寸前まで触れ合わさっていた唇の感覚がどこか懐かしい。
 そうすることが当然と言わんばかりに伊織さんの舌先が私の口唇を割ってきて小さくバタ足を繰り返す。
 先輩が口内ではしゃぐせいで異物を警戒した粘膜器官が唾液の雨を降らせて、結果的に侵入者を喜ばせてしまう。

 ベロ同士が触れ合って唾液のカクテルを作る横で、メイドさんがコップに水を注ぐ音が聞こえてくる。

 こちらを向いて一礼をしたような衣擦れが耳に入った。私の口を塞いだままの伊織さんはそちらに対してなにもリアクションをせず、むしろ余計に舌先をねじ込んできた。

 上顎のつるつるした部分を舌の先端で円を描くようにまんべんなく触れ、そのまま歯の裏側まで味見にやってくる。
 歯の間を磨き残しを確認する母親のように一本一本丹念に触れて確かめたあと、ピアノの白鍵を弾くように左右に激しく往復を始める。

 動きの激しさにたまらず口を開けると、みだらな液体音が、コップに注いだ水が跳ねる音よりもよっぽど大音量で部屋に響いた。

「明朝、片づけに参ります」

 女の子同士が身体を重ねあうという明らかな異常事態にも関わらず、動揺の色すら見せないメイドさんが退室していってようやく、私の拘束が解除された。


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