過去ログ - 仮面ライダー×仮面ライダー SAO大戦
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3:BRAKER[sage]
2014/10/12(日) 19:26:51.61 ID:r8lSVgSRO
「はぁ…また戻って来ちゃったな…」
ため息まじりに呟く。
「あいつらにはもう会っちゃいけないって分かってたはずなのに…」
あれからもう10年の月日が経っていた。
あの日から俺は、あいつに会わないために世界中を旅していた。
なんの計画も無く始めた旅だったが、それでも悪いものではなかった。
新しい出会い、初めての経験…
何もかもが新鮮で、かけがえのない時間だった。

だが…それも長続きはしなかった。
この体の秘密を隠して過ごすには限界があった。
長くて半年、早い時には数週間でその場を離れなければいけなくなった。
時にはそれでも俺を受け入れてくれる人もいた。だが、俺を庇った人は決まって俺を拒絶した周りの人間から孤立していった。そういう時は、俺は黙って姿を消した…
それでも、また新しいところに向かうのが楽しかった。たとえ同じことを繰り返すことになっても、俺は満足していた。

だが、ある時…あの事件がきっかけで俺は変わった。
俺は何者なんだろう。俺は何が出来るんだろう。
俺は、なぜ生きているのだろう…
自分の中で虚無感が渦巻いた。そして気づいたときには俺はこの地を踏みしめていたのだ。
「…やっぱり落ち着くな、この国は。」
長い月日が経ち、変わったところも多くある。新しく大きな電波塔ができているし、昔よりも圧倒的にビルが増えた気がする。周りの人間がいじってるのはおそらく携帯なのだろうが、昔俺が使っていたタイプとは全く形が違う。
それでもやはりかつて自分が住んでいた国は安心する何かがあった。
「あまり長居はしたくないけど、
少し最近のことを知りたいな…」
特になんの予定も立てていなかった俺はとりあえず散策を始めた。

「本当にあったよ…」
目の前にはゲームショップ。たてられた看板には先着50個の文字。
見たところ20人程度しか人はいないため、間に合ったのだろう。
「よし、並ぶか。」
俺は最後尾についた。

少し時を遡り…
俺は調べものにうってつけの場所を見つけた。
インターネット喫茶だ。
なんと、お金を払えばパソコンが使えるという。
旅の最中も色んなことをして、金はそこそこにあったので、俺はとりあえず入ってみることにした。
正直…驚きの連続だった。
インターネット喫茶だというのに、漫画は置いてあるし、飲み物は飲み放題だし、ダーツなんかも置いてある。つくづく時代の進歩を体感させられた。
特に、パソコンには。
昔パソコンを使ったことはあったが、あれからかなり進化したものだ。使いこなすのにそこそこ時間がかかった。
使えるようになってからは色んなことを調べた。
中には都市伝説みたいなものもあった。街のど真ん中に大きな魔法陣が現れたとか、空に丸いメダルのようなものに囲まれた巨大な石が現れたとか、なかなか読んでいて面白いものだった。
そんななか、俺はあるサイトに興味を持った。
「ソード・アート・オンライン、いよいよ明日発売。」
ソード・アート・オンライン…略称はSAOと言うらしいが、名前自体は最近のことを調べている時に何回か見たし、なんなら街中でもちらほら見かけていた。最初はただゲームが発売されるだけだと思っていた。だが、だんだん何故ここまで騒がれているのか気になった俺は、そのサイトを開いてみた。
時代は進歩したものだ。
なんとこのゲームは自らが入り込んで、まるでその世界に入り込んでいるかのように遊べるらしい。
記事を読んで行くうちに俺は段々そのゲームに惹かれていった。戦いにあけくれ自身を強くすることもできれば、ゲーム内で家を持ち普通に生活することもできる。
記事を読み終わる頃には、俺はSAOの虜になっていた。
いい気晴らしになるかもしれない…そう思った俺はすぐにSAOを売ってる場所を調べた。
だが、あまりに遅すぎた。
これほどのゲーム、マニアが放っておくはずもなく、一週間並ぶのは当たり前…既にほとんどの店が売り切れだそうだ。
だが、諦める気になれなかった俺は調べに調べ、近くに一軒だけまだ在庫が残っているであろう店を見つけた。何でもそこは知る人ぞ知る隠れた名店らしい。その店は50個入荷し、今朝の段階で18人しか並んでいないらしい。でもなぜそんなに人が少ないのだろう。

ここまで来てやっとわかった。
並の人には辿りつくのは厳しいのだ。
距離が遠すぎる。この店はある街の中なのだが、その街自体が森に囲まれているのだ。俺でも約3時間程かかったから、おそらく普通の人だと4、5時間かかるだろう。おまけに途中道とは思えない道が多くあり、危険だ。
なるほど、わざわざゲームを買いにここまで来る人はなかなかいないだろう。もっとも、目の前にその険しい道を通ってきた人達がいるのだが。
と、いうかこの街はどうやって物資を得ているんだろう…

「あの、君ソード・アート・オンライン買うために並んでる?」
色んなことを考えていると後ろから声をかけられた。
振り向くと若い青年が立っていた。
「ああ、そうだけど…」
「ふぃ〜、じゃあここでいいのか…いやぁー遠かった。」
驚いた。彼もまたあの道のりを通ってきたのだ。
「へぇ〜すごいな…あんたもあそこ通ってきたのか…」
「ん?まあ他の人とは鍛え方が違うからね〜」
目の前の青年がニヤニヤしながら答える。
「そういうあんただってあの道を来たんだろ?」
「それもそうか…まあ鍛え方が違うからね」
俺も笑いながら返す。
「ははっ、違いないな。あ、俺操真晴人。よろしく」
一瞬本名を言おうか躊躇したが、彼に隠す必要もなかった。
「よろしく。俺は剣崎…剣崎一真だ」



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