404:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/19(日) 22:49:24.23 ID:6sU5zIT9o
寂れた酒場のテーブル席に老人が座っていた。
老人は明治製品の板チョコレートを口に頬ばり、痩せ衰えた手で袋の残骸を玩んでいた。
きのことたけのこの戦争か――ばかどもめ、何をやっているのだ。
彼はかつて明治製品の兵士だった。
やがて酒場の外から「われらはきのこ山なるぞ」とわめき散らす若者たちの声が聞こえ
老人は怒りとともに、ぐしゃりと握り潰した袋の残骸をテーブルの上に放り出し、立ち上がった。
「マスター、お代をここに置くぞい」
いまや老人の顔は苦み走った歴戦の勇士の様相をたたえていた。
それもそうだろう。彼がさきほど食った板チョコレートは、カカオ９９％のチョコだったからだ。
そして、酒場の外の大通りで「いちばん美味いのはきのこ山だ」「なにをたけのこの里だ」などと
わめきながら殴り合いの大乱闘を繰り広げる若者たちに、老人は、軽蔑の視線を与えてから、こそこそと家に帰って行った。
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