429:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/10/19(日) 23:11:49.48 ID:2hTneSUAO
「特に緑川君と影里さんは注意してね。二人は他のみんなと違って事件に巻き込まれやすい立場にいるから……」
担任の言葉にクラスメイトの視線が一気に集まる。
そこに籠められていたのは実に様々。
ただなんとなくそちらに目をやったようなものから好奇を隠そうとしないもの、そして異物に向けるようなまで。
何故話を振られただけでここまで注目されねばならないのか。
いや、注目されるのはまだしもどうして露骨に彼ら自身の違和感を湛えた目線まであるのか。それが開人には不満でしかなかった。
そうして開人が何の反応もせずにいると、代わりに隣の影里が静かに返事をする。
「大丈夫ですよ先生。元々私たちのところは人数が少ないので仕事があんまり来ませんし、それに仕事自体が複数人で担当するようになってますから」
「まあ、そうなんだろうけどね。やっぱり先生の立場としても不安というか……」
「仕事を回してくれるのは政府の偉い人たちなんですから、無理難題の仕事を回してきたりしませんよ」
「……そうね。今更だったかな」
影里の言葉に納得して担任は開人・影里の二人から全体を見渡すように鼻先を動かす。
普段無愛想だと言ってもコミュニケーション能力が皆無というわけではなく、こうして必要な場面ではきちんと話すので周囲の影里に対する印象は非常に曖昧なものとなっていた。
成績は優秀で学年でもトップクラスなので学校という組織が下す評価で言うならば間違いなく優等生の部類なんだろうが、一個人――特にクラスメイトが抱く感情など曖昧である。
なのでクラスでの影里に対する評判はある意味開人以上に難解なものとなっているのが現実であった。
なるたけ元の文崩さずに変えてみた
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