173:名無しNIPPER[saga]
2015/09/27(日) 19:47:10.74 ID:LSTSCe0b0
ピッ、ピッ、と。
規則的な音が、手術室に響きます。
幾つもの灯りが私を照らしていてとても眩しい。
突然の手術。
それが何を意味するのかは、私には分かりません。
でも、急の手術を要するという事が何を意味するか……。
つまりはそう言う事なのだと、私は内心覚悟を決めていました。
その為に、私の全てを書き綴った。
海未(もう思い残すことはありません……)
音ノ木坂学園の門の前でヒマワリの様に明るく笑う穂乃果の笑顔を思い浮かべると、私の頬はこんな時だというのにどうしようもなく緩んでしまう。
海未(全く、貴方と言う人は……)
お母様のお腹の中にいる頃から、ずっと一緒にいた。
たくさんお話した、喧嘩もしました。その度に泣いて、笑って……思い返せば、いつも隣には穂乃果がいました。
今際の際になるかもしれないのに、こんな穏やかな気持ちでいられるのは、きっと貴方と言う人に会えたからなんでしょう。
それだけで、私の人生は有意義だったと断言できます。
海未(ありがとう、穂乃果……)
私は、太陽の様に光るライトを見ながら、ゆっくりと瞼を閉じました。
「随分と満足した表情をしているな」
そんな時でした。
横から聞こえてきた、低い男の人の声に、私は半ば反射的に振り向きました。
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