90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/12/03(水) 19:43:39.18 ID:ayySVySV0
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穂乃果と別れを告げた数日後、私の体は一気に病に侵されました。
海未「ゲホッ!ゴボッ!」
看護師「園田さん!?大丈夫ですか!?」
咳き込む私の背中を看護師さんが優しく撫でてくれました。
海未「は、はい……ありがとうござい──ッ!?」
お礼を告げようとした私は、次の瞬間には驚きに目を見張りました。
口元を抑えた私の掌に、真っ赤な液体が付着していました。
それも、大量に。
海未「あ……あぁ……」
看護師「園田さんッ!!」
私の思考が動き出す前に、看護師さんは私の両肩を強く掴んで、私の意識を強制的に引き付けました。
看護師「落ち着いて園田さん。大丈夫、落ち着いて……」
海未「……は、はい……」
私の体は、私が思う以上に危険な状態だったことを、この時初めて理解しました。
海未「穂乃果……」
不安に蝕まれた私は、無意識の内に最愛の幼馴染の名前を呟いていました。
看護師「……お友達?」
暫く無言で私を見つめていた看護師さんが、恐る恐るといった風に尋ねてきました。
海未「え……えぇ。昔からの、幼馴染なんです」
看護師「そう……ねぇ、その子はどんな子なの?よかったら聞かせてくれないかしら」
看護師さんは優しい微笑みを浮かべながら、私のベッドに腰掛けました。
海未「で、でも……看護師さん、お仕事中なのでは……?」
看護師「患者さんとのコミュニケーションも仕事の内よ。こんなに真面目に仕事に取り組んでいるんだから、ちょっぴりナース会議の時間に遅れちゃっても仕方ないわよね?」
看護師さんは悪戯っぽい笑みを浮かべながら言いました。
その悪戯っぽい笑顔に、私の頬は自然と緩んでいました。
海未「そうですね……看護師さんにちょっぴり似ているかもしれません」
看護師「え?」
海未「私の幼馴染の事ですよ。自然と人を笑顔に出来る、そんな人なんです……穂乃果と言う人は……」
それから私は、看護師さんに昔の穂乃果の話をしました。
穂乃果と初めて会った時、穂乃果についていって大変な目に遭った事、それでも、最後は皆が笑い会っていた事。
ふと窓の外に視線を向けると、昨日と変わらない青空のはずなのに、心なしか澄んでいる様に、私には見えました。
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