過去ログ - 元お嬢様「安価とコンマで大勝負」アフロ「クインテット!」(5スレ目です)
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872: ◆k9ih1s9J/w[saga]
2015/04/24(金) 19:01:30.81 ID:J2578ASB0
ソピア「クルトさんのお家って元々商家でしたよね」

クルト「ああ。ファナゼ市でもそこそこ稼いでいる方でな。家は小さかったが、立派な家具と、大量の本があった」

ソピア「事業をウベローゼンに移したんですか?」

クルト「いや……父は、他の商売人との競争に敗れたんだ」

ソピア「あっ、すいません……」

クルト「なに、ありふれた話だ。……どう敗れたのか聞くか?」

ソピア「……クルトさんが大丈夫なら」

クルト「……ファナゼの商人はみな、事業を始めるために借金をする。俺の父もそうだった」

ソピア「グリエール商会からですか?」

クルト「いいや。基本的には富豪……貴族たちだ。彼らは商人に金を貸し与え、その利子でさらに私腹を肥やす」

クルト「ファナゼには奴隷市場があったろう。返済できなくなった商人は、家族ごと奴隷として売られるんだ……」

ソピア「クルトさんのお父さん、何とか返済できたんですね……」

クルト「……父と母、そして借金をした貴族は学生時代からの親友でな。ほとんど無条件で金を貸してくれていたのだ」

ソピア「他の商人さんから見たらちょっとズルいですね……」

クルト「ある日、その親友は父にとある事業の話を持ちかけたんだ。費用は莫大、だが成功すれば父は億万長者、親友も国内一の大富豪間違いなし」

クルト「貴族が表だって商業活動をするのは恥ずかしい事と見なされている。それで、父は親友の提案に快く乗り、資本金を借り受けた」

ソピア「どんな事業だったんですか?」

クルト「ファナゼ鉄道計画だ」

ソピア「ファナゼに鉄道なんて通ってましたっけ? ……あっ」

クルト「父が事業に着手した、その最初の月末の事だ。……親友の貴族は急激に利子を吊り上げ、即刻金を返すよう迫ってきた」

クルト「もちろん返済できるはずもない。俺たちは……夜逃げしたんだ」

ソピア「ひどい……。どうしてそんな裏切るようなことを……」

クルト「表向きは、もっと信頼できる他の商人に事業を移したかったとのことだが……」

クルト「……これは父の想像だが、彼はミルズを奴隷として購入したかったのではないか」

クルト「彼はかつて俺の母に恋していた、横恋慕だ。ミルズに若き母の面影を見たのかもしれない」

クルト「……ミルズはこの話を知らない。教える必要もないだろう? 彼は処刑されたのだからな」

ソピア「……はい」


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