12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 00:31:01.51 ID:Sc7juh7n0
「あ、メールだ」
ケータイの液晶画面を見て、差出人の名前を確認します。相手は、あかりが昔からよく知る人でした。
船見結衣ちゃん。あかりの幼馴染で、歳がひとつ上の先輩で、同じごらく部の仲間で、そしてあかりの大切なお友達。
これまでの十三年間で、一体どれだけ「結衣」という名前を呼んだのでしょうか。きっと、途方もないくらい多いと思います。結衣ちゃんは、それだけあかりとずっといる人なんだ。
だから、結衣ちゃんからメールがあるだけで、あかりは少しうれしくなってしまいます。体がぽかぽかしてくるんです。
『ごめん、あかり。急用が入ってごらく部には顔出せない。京子達にもそう伝えといて』
メールは、そんな文面でした。
おかしいなあ、とあかりはすぐに思いました。結衣ちゃんなら自分で同じ内容のメールを他の二人にもするはずです。たとえ一人だけに連絡するとしても、どうしてあかりなのでしょうか。結衣ちゃんなら、真っ先に京子ちゃんに連絡するはずです。
「京子ちゃんだけだと心配だから、っていうのはありそうかも」
口に出して、少し笑ってしまいます。京子ちゃん、大雑把なところがあるから。
少し変な気はするけど、それだけ結衣ちゃんが急いでいるってことなのかも。じゃあ京子ちゃんとちなつちゃんにメール送らなきゃね。
あかりは、結衣ちゃんが行けないことを簡単に伝えるメールを二人に送りました。
40Res/32.28 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。