7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/10/14(火) 00:23:59.01 ID:Sc7juh7n0
「思ったよりも時間かかったな」
私は思わず独りごちた。たまたま日直だったがために、先生の手伝いを放課後に任されてしまい、いつもより部室に向かうのが遅れてしまっている。
最初は京子も手伝うと言っていたが、一人で足りているし、自分でやると言い聞かせた。変なところで気を遣う奴だ。そこが彼女のいいところだと、思うけれど。
学校の離れにある茶室は、趣深く佇んでいた。見る度に思うが、これ程の施設が何故学校にあるのだろうか。つまらないことを考えながら、中に入り、襖に手を掛けた。
「えっ……」
ちなつちゃんと京子が、抱き合っていた。京子の表情を伺うことは出来ないが、ちなつちゃんは目を閉じながら、慈愛の表情を浮かべていた。
よく見れば、右手で京子の頭を撫でている。私は何故か居た堪れなくなって、襖を閉じた。胸が、チクリと痛んだ。
「っ」
思わず私は走りだす。この場所に、一秒たりとも居たくなかった。おかしな話だ。いつもはずっとごらく部に居たい。皆と一緒に居たい。と思っているはずなのに。今日だけはあそこから逃げ出したくて仕様がなかったのだ。
気がつけば、私は教室まで戻ってきていた。
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