過去ログ - 男「あんこ…宴を始めよう」【ごちうさ】【安価】
1- 20
3: ◆AkH/4.EZSk[saga]
2014/10/16(木) 19:39:57.48 ID:GrA6yvT/0
その日の甘兎庵の店内にはお客の姿がまるで見当たらなかった。

ただ一人、あんこが最もよく見える位置を陣取る男を除いては……。

あんこはその日も普段と変わらず店内の中央の台座の上に微動だにせず鎮座していた。

「隙を見てこのスポーツバッグに押し込んで、そのまま逃げられるだろうか?」

男はただひたすら機会を窺っていた。

そうこうしていると突然店の扉が開き

「千夜ちゃん!来たよ〜!」

「お邪魔します」

そう元気な声と共に二人の少女と一羽のウサギが入店してきた。

「あの二人は確かココアとチノとかいう千夜の友達か……」

過去にこの店を訪れていた際に何度か見かけたことのある二人だ。

――これはチャンスかもしれない。

「千夜があの二人の対応をしている間に……」

そう思い男が席を立つのとほぼ同時に、それまでまるで置物のように微動だにしなかったあんこが突如台から飛び降りる。

そのまま一気にチノの足元へ駆けて行ったかと思った次の瞬間にはチノの小さな体を素早く器用によじ登り、彼女の頭上に乗せられている白い塊に飛びつき、そのまま地面へと落下していった。

――そして

「(ノオオオオオ)」

「・・・」

どうやらあの頭の上の白い物体もウサギだったようで、あんこは普段から想像できない勢いでその白いウサギを追い回し始めた。

「……」

男はしばらくその光景を眺めてから「これは無理だな」と思い、そのまま素直に店を出ることにした。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
929Res/464.91 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice