15: ◆TPk5R1h7Ng[saga sage]
2014/10/18(土) 03:53:04.29 ID:c14JIFPPo
―勇者の夢の中―
勇者はかけだしの頃の夢を見ている
国王「おぬしが此度の勇者か」
勇者「はい」
国王「では、此度の作戦についての説明を改めてさせて貰う」
勇者「はい」
国王「大まかに言えば…勇者であるお主がモンスターを倒して力を付け、最終的に魔王を倒すのが目的だ」
勇者「はい」
国王「その宝箱には軍資金として300Gとひのきの棒が入っている。他に聞いておく事は無いな?」
勇者「いいえ」
国王「では何を聞きたい?」
勇者「他の勇者について」
国王「他に勇者となる者はおらぬ、だが無論一人で戦わせる訳では無い。旅の途中でおぬしが出会った者を、パーティーメンバーとして連れて行くが良い。他にも何か聞きたい事はあるか?」
勇者「はい」
国王「では何を聞きたい?」
勇者「装備について」
国王「武器や防具はただ持っているだけでは意味を成さぬ。しっかりと装備して戦闘に望むのだ。また装備の中には特殊な力を持った物も…」
勇者「いえ、そうではなく」
国王「では何を聞きたい?」
勇者「有象無象の大多数に与えるのならまだしも、少数精鋭のはずのパーティーを汲むための軍資金が300Gとひのきの棒と言う理由は? 金銭はともかく、せめて一般兵装を支給して頂きたいのですが」
国王「当然そこは気になるだろう…だが、それを行う訳には行かぬ」
勇者「何故ですか?」
国王「ある程度強い装備を与えれば、戦いは楽になる…当然侵攻も早まる事だろう」
勇者「そう思うのでしたら何故?」
国王「だが、そうして武具に頼った歩みを進めた所で、いずれ装備の力では勝てぬ相手にぶつかる。…先代勇者のようにな」
勇者「………」
国王「改めて問おう。おぬしの最終目的は何だ?」
勇者「魔王討伐です」
国王「では、力を付け自らを高める事を最も重要視するべきだ。何、路銀が心許ないと言う意味では心配をするな。モンスター討伐による報奨金の話を後で聞かされるはずだ―――」
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