61: ◆TPk5R1h7Ng[saga sage]
2014/10/20(月) 02:21:05.40 ID:JPB5Xzmlo
エレナ『記録者…エレナ・パーシバル。記録内容…魔王の存在しうる仕組みについて』
エレナ『この記録が誰かに聞かれている時点で、私はもうこの世に居ない物と仮定して話しをします』
エレナ『この記録を聞いた誰か…出来ればこの事を、この問題を解決出来る人または機関へと渡して下さい。そして…』
エレナ『勇者くんが…この記録を聞かなくて済む道を進んでいてくれていたのなら…私はその方が良いと思う』
勇者「………」
エレナ『私がこの理論を構築する上で、最も重要な要素となるのが『魔力』である』
エレナ『先に結論を言うのならば、人間が魔力に手を出さなければ…あるいは使い方を誤らなければこの悲劇は起きなかった筈だ』
エレナ『また、この理論には裏付けが無く私の想像以外に根拠が無い事も宣言しておく』
エレナ『まず始めに人間が犯した間違い…それは、共通の敵…絶対的な悪の創造である』
エレナ『人間は二人以上居れば小さな事でも必ず争いを起こす生き物だ。そしてそれが国家間となれば戦争にも発展して大きな不幸を生む』
エレナ『では、人間同士の戦争を無くすためにはどうすれば良いか…答えに辿り着くのは難しく無いだろう』
エレナ『そう、先にも述べた共通の敵…絶対的な悪を作り出す事だ。そして不幸にも、この目論見に合うだけの成果が生まれてしまった』
エレナ『汚染とも言える濃度の魔力による、身体の強化…その結果が魔族やモンスターの存在である』
エレナ『恐らくその殆どは一世代で終わる一時的な物だった筈。しかし実験に例外は付き物だ』
エレナ『今居る魔族やモンスターの殆どはそう言った第一世代が、正常な…いや、誤った生殖機能を持ってしまったために生まれてしまった物だろう』
エレナ『次に、この理論を展開する上で外す事の出来ない存在…勇者と魔王に焦点を当ててみよう』
エレナ『勇者と魔王は言わば表裏一体…材質も性質も限りなく近く、更に裏返る物である。ただし、表返る事はできない』
エレナ『ではまず、勇者について説明をしよう。判りやすく簡潔にその存在を定義付けるなら……勇者とは、魔力収束体質である』
エレナ『次に魔王についての説明である。先に記したようにこれは勇者という存在と表裏を成す存在であるが、反転が不可逆である事が特徴だ』
エレナ『何故なら、反転と記してはいるがその実は進化に近い物だからである』
エレナ『勇者はあくまで人間の枠の中に納まり、成長するとは言ってもそこに限界を持つ』
エレナ『それに対して魔王は、実質上その能力に制限は無し…それこそ、人間と魔族の倍率の差が勇者と魔王の倍率の差になるのである』
エレナ『次に、魔王としての最大の特徴…それは魔族に対する絶対的命令権である』
エレナ『これは、圧倒的な能力を持つ者のカリスマで命令を下すと言うよりも、魔法を行使して事象を引き起こすのに近い能力である』
エレナ『先に記した通り、魔族やモンスターと言った者達は高濃度の魔力により構成された存在であり、魔王はそれを操る事が出来る』
エレナ『また、この下位に当たる行為をテイマーが行っているため、証明は不要と判断する』
エレナ『そして…勇者が魔王へと反転する条件を、憶測ではあるが記して行きたいと思う』
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