過去ログ - 【咲-saki-】優良物件争奪戦【安価】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲-saki-】優良物件争奪戦【安価】

↓ 1- 覧 板 20

23: ◆VltbcUwotE[saga sage]
2014/10/24(金) 06:51:08.83 ID:a/WWabRfO

気が付いたら3X歳になっていた。

ある一点を除いたらそれなりに充実した人生を歩んできた。

友に恵まれ、仕事も充実している。人生の勝ち組と言っても過言ではない筈がある理由だけで私は負け犬になってしまう。

『小鍛冶プロ、執念の結婚』

スポーツ新聞の一面を眺めながら溜息が漏れた。そう私は地位や名誉、友に恵まれていても

女の幸せには恵まれなかった。

思い人が居なかったわけではない。それよりも恋愛小説の主人公みたいに思い人は居たのだ。中学、高校、大学まで一緒だったその人と結婚するのだと私は心の何処かで思っていた。

確かに高校からは麻雀に没頭してしまい、彼を疎かにしてきた。

だがそれでも彼は私の側に居てくれたのだ…居てくれるはずだった。

「聞いてくれよ、咲。半年後に俺は結婚する！」

喫茶店に呼び出された私に告げられた悪夢の報せ。それが現実なのだと思い知らされたのは彼が新郎のスピーチで私に感謝した時だった。

清澄が全国に行かなければ嫁とは出逢う事はできませんでした。かつての仲間達には感謝しています。特に中学からの幼馴染だった宮永咲には。

涙ぐみながら彼は私達に感謝の意を伝えてくる。隣では既に結婚していた勇希ちゃんが号泣し、部長…久さんもつられて泣いていた。

泣きたいのは私の方だ。私は複雑な心境の中で生きてきた。

逃した魚は大きいと言うが彼以上の男の人を私は一人しか知らず、無意識に言い寄ってくる人を天秤にかけてしまう。

そして気が付いたら3X歳だ。

この歳になると結婚に賛成される事はあっても反対される事はない。同年代の友人達の子供達がウィークリー麻雀で特集号を組まれているのを見る度に心が痛くなった。

私は何処で間違ったのだろうか？

麻雀に熱中せずに彼と向き合えばこうはならなかったのだろうか？

もしもやり直せるのなら私は彼と結ばれる事ができるのだろうか？

そんなIF物語ばかり最近は考えてしまう。お肌のパックを外してベッドに潜り込む。

起きたら高校一年にもどっていたら私は今度こそ女の幸せを…

目が覚めたら知らない天井がひろがっていた。

「何処ここ？」

<<前のレス[*]｜次のレス[#]>>

71Res/15.15 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ