過去ログ - マルチビュー・艦隊これくしょん
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2: ◆KDZcXBO/FqeB[sagesaga]
2014/10/25(土) 23:04:42.61 ID:mJNvSOAno
【叢雲の見た輝く世界 】
気が付くと、人の形をとって立っていた、混乱しながら辺りを見回すとそこは海の上だった
天気はさっぱりとした快晴だ、見渡す限り雲は一つも、というわけにはいかなかったけれども、それでも遥か水平線上に沸き立つ入道がたった一つで、やはり快晴と呼ぶにふさわしいかろうとは思う
自らの身体を認識し体重を僅かに前へ傾けると、ゆるりと体が滑るように動いた、次の瞬間思い切りひっくり返った
何とも不思議な感覚だった
下に目を凝らすとよく分からない何かの子魚が群れをなして泳いでいる、深さは赤い海苔が底の岩磐にぽつぽつと張り付くのまでもがはっきりと見えるほどの浅い海で、海の色などは、こんなにも綺麗に透き通っていたのかと少しのんびりと眺めていると、
「あのう……」
と、突然後ろから声がした
穏やかでこの海に似つかわしい、優しい声だった
ただし、このような所に人などいるはずもないと思っていたものだから、驚いて飛び跳ねるように勢い良く振り返った
顔の横からなにか黒い影が猛烈な勢いで迫ってきて、がつん。

硬くて重いものをひどく顔の横にぶつけて、口から間抜けな音が吹き出て、世界が反転して、目の前が赤くなったかと思うと吸い込まれるように気を失ってしまった
恥ずかしい話だが、人間が気を失う時というものは頭から血の気が抜けるように冷えていくのだと初めて知った。


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