563: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2015/05/06(水) 06:05:09.07 ID:QVHUhWpXo
●そうぐう
俺「っと、誠司じゃないか。久しぶりだな」
誠司「あ、先輩…丁度良い所に。少しお尋ねしたいのですが、兄を見かけませんでしたか?」
俺「英司か?んー…2週間前くらいに酒をせびりに来て、それっきりだが…何かあったのか?」
学ランに身を包んだメガネくん…黒森 誠司、俺の後輩だ。
誠司「やっぱりその辺りからですか…いえ、その…失踪事件の事は知っていますか?」
俺「あぁ、ニュースでやってたな」
誠司「兄もずっと家に帰って来なくて…もしかしたら、また何かに首を突っ込んで巻き込まれたのでは無いかと……」
多分、誠司の予感は当たらずとも遠からず。
俺は少し考えた後、誠司の肩に軽く手を乗せる。
俺「んじゃぁ、俺の方でも気にしとくから、何か判ったら伝えるわ。ま、あんまし心配し過ぎんなよ?」
誠司「…ありがとうございます。では、よろしくお願いします」
そうして、軽く頭を下げてから立ち去る誠司。
状況から見ても、多分今回の件と無関係では無いだろうし…捨て置く訳にはいかない。
やる事が一つ増えた事に対し、俺は少しだけ疲労感を覚えた。
俺「んじゃぁ改めて、カライモンの所に………ん?」
改めて話を戻す…いや、戻そうとした所で、一つの存在が視界の端に映り込んだ。
10歳…あるいは11歳くらいの少女。
地面につきそうな程に長い、薄紫色のストレートヘアで…前髪は目にかかるくらいの長さ。
服装は…ゴシックロリータの分類だろうか、フリルまで真っ黒な洋服
異様な気配を放つその存在を、まじまじと見ていたせいか…あちら側も俺の視線に気付いて、視線を返して来る。
そして、小さく唇を動かし
少女「…………テ…」
消え入るような…聞き手が俺でなければ、届く筈の無いであろう程の小さな声で何かを呟いた。
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