567: ◆TPk5R1h7Ng[saga]
2015/05/11(月) 06:30:57.16 ID:aBq5S3D5o
●よりみち
ノイズが走った
マイ「黒森兄の行方…かね?。それなら、よく一緒に居る…何と言ったかね、あぁあれだ、弘康君にでも聞いてみればどうだね?」
俺「いや、それが。康の話だと、どーもマイの講義の直後辺りから姿が見えないみたいなんだよなぁ」
大学の正門前でマイに呼び止められ、物のついでに英司の事を尋ねる俺…
しかしマイの方も持って居る情報は殆ど無く、実質上は収穫無し。
マイ「まぁ、私の方でも何か判ったら連絡するとしよう」
俺「頼む、それじゃぁ俺はここで…」
マイ「あぁ、そうそう。少し待ってくれないかね?」
そして、立ち去ろうとする俺を呼び止めるマイ。
協力を頼んだ手前それを邪険にする事も出来ず、俺は立ち止まって振り返る。
マイ「新しいタイプの歯ブラシを作ってみたので、少し試してくれ。確かキミは虫歯になり易いタイプだったよね?」
俺「いや、さすがに今から歯磨きしてるような時間は…」
マイ「なに、そう時間は取らせんよ。と言うよりも、断る時間があったら実行した方が早く済むだろう?」
悔しいがマイの言う通り…ここから逃げ出すなり断る時間を考えれば、多分言う通りにした方が早く済む。
それを理解した所で俺は手を差し出し、マイはその手に歯ブラシを置いてくる。
俺「何だこれ…ブラシの変わりに付いてるのって…スポンジか?」
マイ「新開発の、水溶性フッ素式歯ブラシだ。まずは舌の上に乗せて唾液を染み込ませてくれ給え」
マイの言う通りにする俺…しかし、この実験には幾つかの問題点がある事に気付いた。
俺の身体…首から下はダークチェイサーにより構成されて居る事に関しては、説明は要らないと思うのだが…これにもう一つ付け加えておく事ガある。
首から上に至っても、表皮か口内に至っては多少のダークチェイサー化をしてあり…要は、虫歯にならない体質を作り出している訳だ。
となれば当然、マイの試みは正常な結果を出す事が出来ないのだが…それを説明する事は出来ない。
マイ「次に、頬の内側をスポンジの部分で擦って薬品を塗り込んでくれ」
俺「…こんな感じで良いのか?」
マイ「そうだね、上出来だ。では使用済みの歯ブラシをこちらに戻してくれ給え」
言われるままに歯ブラシを返し、マイはその歯ブラシをビニール袋の中に入れる密封する。
実験は一先ず終了。結果として…もどかしさと後ろめたさが僅かに残る物の、これでマイからの用件は済んだ
改めて俺は、本来の目的…カライモンの下へと向かう事となったのだが………
そこでまた、視界の端に例の少女が映りこんだ。そして―――
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