過去ログ - ロールシャッハ「シンデレラガール?」
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8: ◆v.By3fESrTsY[saga]
2014/10/27(月) 00:21:32.44 ID:0UVqtW8J0
ちひろ「あら、やっぱり来てくれたんですね」

ロールシャッハ「Huum…」

ちひろ「そんな警戒しなくても。どうですか? 我が事務所きっての敏腕プロデューサーは」

センカワは男を指差した。なるほど、コイツはセンカワの言う事務所の職員というわけか。

P「あ、あの、ちひろさん。この人は…」

ちひろ「あ、紹介がまだでしたね。今日からこの事務所の警備員をお願いする方です」

ロールシャッハ「…!? 待て」

俺の静止を躱し、センカワは男…プロデューサーと話し続ける。

P「あ、そうだったんですか。…あの件ですよね」

ちひろ「ええ、あの件です」

ロールシャッハ「待て」

ちひろ「とりあえず説明をしましょうか、どうぞ、事務所へ、Mr。…スイート・チャリオットの角砂糖も用意していますよ?」


事務所の一室、そこで俺はセンカワ、プロデューサーと顔を突き合わせる。
外観に反し、事務所内は清潔で防音もしっかりなされているようだった。

ちひろ「気にせず座ってください。あとで消臭しますので。では、まず事件についてお話ししましょうか」

P「警備員さん、コーヒーはどうですか?」

ロールシャッハ「角砂糖だけで十分だ。前書きはいい、とっとと本題に入れ」

蛍光灯が点滅する中、センカワはあの日と同じように肩を竦めた。
プロデューサーは困惑したようにポットを持ち、部屋をうろついている。

ちひろ「まったく。…では率直に、この事務所に所属するアイドルに偏執的なストーカーがまとわりついているんです」

P「…」

ロールシャッハ「…付け回されている、という事か」

俺の言葉にセンカワは眉根を上げ、プロデューサーは怒りに近い表情を見せた。

ちひろ「ええ、最初の内は微々たるものだったのですが、最近は異常性を増してきていまして」

P「…まあ、なんです。あまり公にできないような行為を繰り返されることもありまして」

ちひろ「そこで、警備員を雇おうという運びになったんですが…」

ロールシャッハ「断る」

誰かに雇われるなどまっぴらだ。俺は俺のするべきことをする。

P「えっ!」

ちひろ「でしょうね。…でも、こんな話を聞いてアナタが動かないとは思えません」

ちひろ「ですから、こちらはアナタを警備員という扱いにして、便宜を図ろう、…こう言っているんです」

センカワが俺の顔を見つめる。
…この女が俺をどう呼ぼうと変わらない。
だが、もし俺を駒だとでも思っているのならば。

ロールシャッハ「用件はそれだけか」

P「えーっと、ちょっと待ってください…少ないですが、これがそのストーカーについての資料です」

立ち上がった俺にプロデューサーはそう紙の束を渡す。
不鮮明な男の写真と今までの事例が簡潔に纏められているようだ。

ロールシャッハ「…」

ちひろ「では、よろしくお願いしますね?」

センカワがドアを出る俺に声をかける。
ビル風にコートがたなびく。ポケットにくすねた角砂糖が転がった。



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