7: ◆2qJT.isoAUzp[sage]
2014/10/27(月) 22:29:21.30 ID:KKYi5iwAO
  
  
 『tqcIpOx2o』ザッ 
  
 『銀の剣を手に入れろ』ザザッ 
  
  
 長老「ふむ……銀の剣」 
  
 乞食「銀製のナイフのことか?」 
  
 盗賊「銀製品か。貴族様のお屋敷は警備がヤバいから、あんま盗みに入ったことはないかな……けど確かに剣って言った」 
  
 盗賊「銀の武器と言えば?」 
  
 長老「ヴァンパイアハンターだな。怪力無双・超能力・魔法のエキスパートの吸血鬼に、銃弾やら剣やら聖水やらで立ち向かう命知らず共」 
  
 盗賊「この街にも支部はあるね。吸血鬼が出た話なんか聞かないけど、それも仕事の成果だったりして」 
  
 乞食「吸血鬼の狩人? なんでそいつの武器が出てくる」 
  
 長老「さあな」 
  
 長老「だがこいつは手に入れろとも吐かしたぞ。さあ行け小僧、夜の番人から武器を掻っ払って来い」 
  
 盗賊「え、今から?」 
  
 長老「言っただろ、こいつの喋る通りに動いて俺は成功したと。ほら、こいつを見てみろ」ガサゴソ 
  
 盗賊「銀行の通帳じゃん。……うわっ!」 
  
 乞食「ああ、やっぱそういう反応するよな」ウンウン 
  
 長老「一財産築けたって寸法だ。ブレはあるが信頼して良い。しみったれた"栄光の手"なんかよりずっと役に立つぞ」 
  
 盗賊「……じーさんがそこまで言うなら、信じない訳にはいかないかな」 
  
 乞食「良かったなぁジジィ。なあ聞けよ小僧、最初は誰も信じなかったんだぜ。ついにボケたってな」 
  
 盗賊「おっさんは?」 
  
 乞食「『証拠を見せてやる』、って言われてラジオの声聞かされてな。出された茶にクスリが入ってたんじゃねぇかと疑った」 
  
 長老「ふん、クソガキ共は若い癖に頭が固くて駄目だ。お前は別だがな小僧」 
  
 盗賊「はは……。よし」 
  
 乞食「……よし、ってオイ。本当にやるのか」 
  
 盗賊「他にやることもないしね。腕試しだと思ってさ」 
  
 乞食「いや、いや、死に急ぐことはねえぞ。あそこは筋モンの連中だってゴタつくのを避けてるっていうじゃねえか」 
  
 乞食「絶対危ねえよ」 
  
 盗賊「うん」スクッ 
  
 乞食「マジでか。知らねえぜ……」 
  
 長老「小僧」ポイッ 
  
 盗賊「わっと。ラジオ?」パシ 
  
 長老「持って行け。俺にはもう必要ない」 
  
 盗賊「本当? へへ、ありがとじーさん。俺も稼いじゃうかんね」 
  
 長老「小僧」 
  
 盗賊「まだなんかあんの?」 
  
 長老「死ぬなよ」 
  
 盗賊「背中押したのじーさん」 
  
 長老「……」フッ 
  
 盗賊「大丈夫だよ。クッキー美味しかった、また来るね」タッ 
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