11: ◆oZf06d53Imn3[saga]
2014/10/28(火) 01:31:26.19 ID:a1iubFJpo
――――――――――――――――――――
せやかてな。
何もウチは考えなしにパンを譲ったわけやないんよ。
今日は中庭で皆でお昼を食べる事になっていたんだけど、穂乃果ちゃんに先に中庭に行ってもらって、ウチは一旦教室に戻る。
さっき購買で穂乃果ちゃんの絶叫を聞いて思い出した。そういえば今日はお弁当を持ってきていたんやってな。今朝は急いで身支度をしたわりに意外としっかりものなんやなウチは。おかげで二度手間の上にパンの分お金を損してしまったんやから、ツイてへん。
「まあ、穂乃果ちゃんの可愛い笑顔でプラマイゼロ……に、しとこっか」
中庭に向かいながら、ウチは胸の中に居た後輩たちを思い出す。真姫ちゃんも穂乃果ちゃんも……なんや、可愛かったな。これが、母性なんやろうか……。
それにしても、……う〜ん。眠いなぁ。
中庭でのお昼ごはんはつつがなく進んでいく。秋になって、お昼でも少し陽は傾いている。緯度とか経度があれで地球の軸の傾きと太陽との位置関係があれこれする感じの秋の陽気やった。
海未ちゃんになにやら注意を受けている穂乃果ちゃん。どうやら最後のパンを貰ったことを見つかってしもたらしいな。気にせんでええのに、海未ちゃんは結構義理堅いところがあるからね。
お礼を兼ねて海未ちゃんやことりちゃんにおかずをちょっとずつ分けて貰った。なんや申し訳ないなぁ。
「美味しいと評判のパンを貰ってしまう穂乃果がわるいんです」
と海未ちゃんがふんふん唸っている。ことりちゃんがそこに「まあまあ」と合いの手を差し込む。小さい頃からの友達というだけあって三人の息はいつもピッタリやな。和むわ。
59Res/33.80 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。