過去ログ - 希「東條希のツイてない一日」
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7: ◆oZf06d53Imn3[saga]
2014/10/28(火) 01:16:52.61 ID:a1iubFJpo

「歩きスマホって最近危ないって言われてるのよ、気をつけなさい真姫」

「え、えぇ。この前も電柱にぶつかりそうになったんだわ……」

「まあ、ええよ。ウチも真姫ちゃんも怪我したわけじゃないしな」

「…………。」

そこでなぜか真姫ちゃんは黙ってしまった。どしたんやろか。

「気をつけなアカンよ、真姫ちゃん」

なにか言いにくそうな表情をしていたので、促すような声を掛けてみる。

少しだけまた間が開いたあとに真姫ちゃんは

「あ、ありがとう」

と真っ赤になりながらお礼を言ってきた。いじらしく癖のついた髪の毛をくるくる指で巻きつけている。

「その、ぶつかったのが、あなたでよかったわ。希。これからは気をつける」

逡巡

「……あと、やわらかかったわ。とても」

そう言い残し、風に流されるように校舎へ吸い込まれてしまった。顔はとても赤かったが、怒っているわけではないみたいやな。ふふ。

「……行ってしまったわね」

「せやね……」

秋が近い。紅葉の季節やし、真姫ちゃんも真っ赤に染まることもあるかもしれんなぁ。なんて、モミジに想いをはせてみる。

「さ、希、………………ふふっ、そろそろホームルームが始まってしまうわ。いきましょう」

時計を見れば確かにそんな時間だった。そういえばウチは寝坊したんやったな。急ごう急ごう。

でもなんかいまエリちの発言に間があったような…………。

ま、ええか。それにしても、眠いなぁ。




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