過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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名無しNIPPER
[saga]
2014/12/24(水) 00:35:08.04 ID:agZ8HDU50
息を殺し、茂みの中から状況を見守る。
勇者は三分とかからず、精霊の祠の入口を見通せる場所まで戻って来ていた。
獣王が何かを喋っているが、雨の音に紛れてよく聞こえない。
だがこの雨は自分の気配も殺してくれているので、文句は言えない。
勇者は目を凝らし、獣王の一挙一動に注目する。
獣王が攻撃に移ろうとする、わずかな前兆も見逃さないように。
勇者「う…」フラリ…
しかし傷のダメージと多量の出血が勇者を一瞬ふらつかせた。
再び視線を洞窟入口の方に向けた時には既に―――獣王の姿が消えていた。
勇者「しまっ…!!」
勇者は慌てて茂みから身を乗り出す。
変わらず倒れ伏す三人の姿が目に入った。
勇者「よ…よかった……」
安堵から、勇者は背中から茂みに倒れこむ。
何とか―――何とか、この最大の窮地を乗り切ることが出来た。
あとは、なけなしの魔力を振り絞って僧侶を治療し、復活した彼女に全員の傷を癒してもらうだけだ。
勇者(あ…れ…?)
そう思って体を起こそうとして、勇者は愕然とした。
勇者(体が……動かな……)
体が動かない、どころじゃなかった。
視界が、周囲から徐々に黒く塗りつぶされていく。
目蓋は開いたままなのに、勇者の世界は暗黒に落ちていく。
勇者(いや、ちょ、待……嘘だろ! オイ!!)
勇者の傷は、はっきり言って致命傷だった。
それも、獣王に切り裂かれたその時点で、十分に。
そんな体で、勇者は無理をし過ぎた。
空中からの落下で傷を広げ、さらにその体を酷使し過ぎた。
だから―――こうなった。
こうなるべくして、なったのだ。
勇者(死ぬ…? 死ぬのか俺……?)
勇者(………)
勇者(……)
勇者(…)
勇者()
勇者()
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