過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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192:名無しNIPPER[saga]
2015/02/08(日) 20:06:17.32 ID:wu5m6QQa0
 もうすぐ日暮れを迎えようかという時間帯に、戦士、武道家、僧侶の三人は新たな町の入口に足を踏み入れていた。

武道家「何とか……日が暮れる前に着くことが出来たか」

 安堵の溜息こそ出るものの、歓喜の喝采を上げる気にはとてもならない。
 それ程までに、三人は疲労困憊していた。

僧侶「と、とにかく、まずは宿を探しましょう。今日は正直まともなベッドで眠りたいです」

武道家「同感だ。町の人間にいろいろ話を聞くのは明日に回してよかろう。それでいいな? 戦士」

戦士「ああ…」

 三人で旅を続ける中で、何か思うことがあったのだろうか。
 元々饒舌な方ではなかったが、最近特に戦士の口数は少なくなっていた。
 気にはなるが、武道家も疲れていた。
 深く追及するようなことはせず、まずは宿を探さなくてはと町並みに目を向ける。

武道家(それにしても……)

 妙に静かな町だ、と武道家は感じた。
 活気がないというか、全体的に陰鬱な印象を受ける。
 道行く人々の表情も、どこか憂いを帯びているように見えた。
 いや、或いは―――

武道家(自分たちが余りにも疲れすぎて、無意識に町の活気ある部分を見ることを拒絶しているのかもしれんな)

 そんな風に自虐的に結論付けて、武道家は今度こそ宿を探すために歩を進めた。





 第六の町より北におよそ50q―――『第七の町』。




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