過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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194:名無しNIPPER[saga]
2015/02/08(日) 20:08:31.38 ID:wu5m6QQa0
老人「この町から北西に進んだところに、精霊様を奉るために造られた砦がある。そこに、昔から盗賊が住み着いていたんじゃ」

老人「盗賊は近隣の村々を荒らしまわり、暴虐の限りを尽くしていた。そこに現れたのが『伝説の勇者』様じゃ」

老人「『伝説の勇者』様は盗賊たちを懲らしめ、二度と悪事を働かないことを条件に命だけは助けてやったという。何とも慈悲深いことよ」

老人「だが、それが良くなかったのじゃ」

老人「『伝説の勇者』様がお倒れになったらしい、と噂が広まってから、盗賊たちはまた活動を再開した」

老人「近隣の村々から食糧や金品を強奪し、若い女は手当たり次第に攫っていった。反抗した若者は殺され、そうやって滅んでしまった村はひとつやふたつではない」

老人「そして盗賊の魔の手は遂にこの町にも及んだ。もう何人もの娘が連れていかれ、その伴侶や恋人だった男は反抗し、殺された。あっさりと、惨たらしく」

老人「小さな子供たちは盗賊を警戒し、外へと遊びには出してやれん。家の中でずっと息を殺すように忍んでおる」

老人「この町の次代を担う若者はもう随分と少なくなってしまった。この町も、いずれは滅んでしまうのじゃろう。儂はそれが、本当に口惜しくてならん」

老人「孫娘もとうに連れ去られた。今頃どんな目にあっているかと思うと……ぐ…く、うぅ……!!」



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