過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/30(日) 17:31:40.48 ID:AszI6XDJ0
武道家「凄まじい……蛾の数が目に見えて減っていくぞ」

僧侶「でも戦士は…? 戦士は大丈夫なの…!?」

 戦士の体からは至る所から血が流れている。
 転倒し、自ら負った傷だけではない。
 目が碌に見えない状況では蛾の接近を拒みきることは出来ず、鉤爪のついた足や鋭く伸びたストロー状の口を何度も突き立てられている。
 手のひらから流れ出る血は、誤って壁を叩き続けた衝撃により皮がめくれ始めているからだ。

勇者(大丈夫な訳―――ねえだろうがぁ!!!!)

 勇者は駆け出す。

勇者「戦士ぃぃぃぃいいいいいい!!!!」

戦士「来るなああああああ!!!! お前の、お前の助けなど……ッ!!!!」

勇者「うるせええええええええ!!!! 食らいやがれええええええええ!!!!」

 勇者は指さす。
 対象は戦士。
 体内で練り上げるは『火の精霊』の加護により増幅された魔力。

勇者「『呪文・睡魔』!!!!」

 戦士の体がびくりと跳ねた。
 脱力した体は剣を手放し、その場にどさりと崩れ落ちる。
 それにより、勇者はようやく戦士の傍に走り寄ることが出来た。
 蛾の群れは勇者に襲い来るわけでもなく、ただ周囲をぐるぐると舞っている。
 意図は明白。毒の鱗粉でまずは行動不能に陥れようという魂胆だ。

勇者「舐めんなッ!! 初歩的な呪文なら大抵は習得しとるわッ!!!!」

 勇者は手のひらを突き出す。
 対象は大まかに。目に見えるこの空間を。

勇者「『呪文・烈風』!!!!」

 勇者が掲げた手を中心として巻き起こる風が渦をなす。
 鱗粉は風にまかれ、蛾の群れも風にあおられ岩壁に叩き付けられていく。

勇者「武道家!! 戦士を!!」

武道家「承知!!」

 武道家が戦士を抱え上げる。

勇者「はい撤収ッ!! ダッシュで逃げるよ!! 撤収撤収ぅううううう!!!!」




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