過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/11/23(月) 19:27:50.40 ID:ZUaUlY1C0
町を囲う城壁を抜けた所で、ちょうど別行動をしていた武道家と合流した。
武道家「ぐるりとこの城壁の周りを回ってみたが、勇者、お前が言うような跡はどこにも無かったぞ。綺麗なものだった」
勇者「そうか……」
応える勇者の言葉は重い。
何かあったのかと問う武道家に、戦士と僧侶から勇者が城内で得た情報が伝えられた。
勇者がそうであったように、勇者から話を聞いた戦士と僧侶もそうだったように、武道家もまた、言葉を失ってしまう。
重苦しい雰囲気を打ち破るように、勇者は宣言した。
勇者「これから再び親父の、『伝説の勇者』の伝説を辿る。そして、『光の精霊』の加護を獲得するんだ」
光の精霊。
それは、精霊の頂点に立つ、神にも等しい存在と伝えられる。
その加護を得ることが出来たのは、この世で唯一、『伝説の勇者』だけだ。
勇者「現状どこで光の精霊に接触できるかもわからないし、正直雲を掴むような話だけど、やるしかない。精霊剣を手に入れることが出来ないと分かった以上、何か別の力を手に入れる必要がある。なんせ―――」
勇者は背後の『滅びた国』を振り返った。
勇者「国一つをまるごと暗殺するような奴が敵にいるんだ。今のままじゃ、俺達は絶対に勝てない。俺達は今よりもっともっと強くならなきゃならないんだ」
勇者の言葉に、武道家、戦士、僧侶の三人は力強く頷いた。
勇者達は『滅びた国』を後にする。
最後に、勇者はもう一度その国を振り返った。
たくさんの人が死んでいた。多くの者が魔物に遺体を貪られていた。
決して少なくない人数が死後の尊厳を汚されていた。
成程、ここは確かに地獄だった。
少なくとも勇者にとってはそうだった。勇者にはその光景はとても耐えられるものではなかった。
鼻の頭がツンと熱くなる。込み上げる涙を必死に抑えながら、勇者は『彼』の名前を呼んだ。
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