過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
1- 20
84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/12/13(土) 23:52:59.80 ID:xox+vNXM0
 ほんの少し、騎士は自分の体を横にずらした。
 それだけで、戦士の大剣は騎士の体を捉えられずに地面を叩く。
 地面を穿った大剣の刃を上から踏みつけ、騎士は薄く笑った。
 騎士の手には、紙や糸を切る時などに使う、ごくありふれた汎用ナイフが握られていた。
 ナイフが反射する光が揺らめいた。
 戦士は反射的に剣から手を離し、大きく後ろに跳び退る。

騎士「いい反応だ、と褒めたいところだけど」

 騎士はズボンのポケットから鞘を取り出して、ナイフの刃を差し込んだ。

騎士「もう終わってんだよね」

 パチン、と鞘に刃を仕舞う音が響く。
 同時に、戦士の鎧がするりと外れ、ごとりと音を立てて地面に落ちた。

戦士「……は?」

騎士「鎧自体は壊してねえよ。流石に一張羅を台無しにすんのは気が引けたからな。繋ぎの紐を切っただけさ、安心しな」

騎士「―――つっても、その下の服は台無しにしちゃったけど」

 戦士が身に着けていた服が千切れ飛ぶ。

戦士「な…!」

 服だけではない。露わになった下着代わりのさらしもまた、ぱらぱらと足元に落ち始めた。

戦士「ちょ…や……!」

 慌てて戦士はひらひらと千切れ飛ぶ布の欠片に手を伸ばす。
 しかしその手に掴めたのはほんの小さな布きれのみだ。
 これでは体の一部も隠すことが出来ない。
 にやにやとこちらを見て笑う騎士の姿が目に入った。

戦士「やめろ!! 見るなぁ!!」

 羞恥に顔を真っ赤に染めて、生まれたままの姿となった戦士はその場に蹲る。


 その戦士の体に―――いつの間にか傍に来ていた勇者が己のマントを巻き付けていた。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/896.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice