過去ログ - 勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」
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845:名無しNIPPER[saga]
2015/12/20(日) 18:09:34.73 ID:fUuHQ7Ru0
勇者「親父が…生きて……?」

戦士「そんな…うそ……」

 光の精霊の言葉に、勇者と戦士は唖然としていた。
 我を失っていた。
 二人ほどではないが、武道家と僧侶もまた、驚きの面持ちでいる。

光の精霊『代わりといってはなんだが、特別な呪文を勇者、君に授けよう。君の父、「伝説の勇者」は呪文の素養を持たなかったからね。この呪文だけは、私のもとに残っていた』

 勇者の体が仄かに輝きだした。
 そこで勇者はようやく我を取り戻す。

勇者「あ、ありがとう、ございます……」

光の精霊『癖のある呪文だ。慣れるまで慎重に扱うといい。そして、他の皆にとって慰めになるかはわからないが、この森で生き抜いた君たちの時間は決して無駄ではなかったと言っておこう』

光の精霊『既に十分承知の事とは思うが、この森に生きる生物たちは皆強大な精霊の加護を身に纏っていた。それを倒し、己の血肉としたことでかなりの加護が君たちに移行している。この森に入る前と比べて、君たちはもはや別人と言っていい程強くなっているはずだ』

勇者「そ、それは、あの…」

光の精霊『この森に生きる者達の命を奪ったことを責めはしないよ。君たちは生きる為に食べた。弱肉強食、それだけのことだ。そもそも、別に私はこの森の主というわけでもない』

勇者「い、色々とありがとうございました!!」

光の精霊『それと最後にもう一つ。どんなに強大な魔物でも、この森の中ではほとんどの力を抑制されるから、全く脅威にならない。だから、この森で生きる者達にとって魔王のことなんてはっきり言って他人事だ。ここで力を授かったからといって君が余計に気負う必要はない。君はあくまで君自身の為に、或いは人間だけの命運の為にここで得た力を揮うといい』



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