2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:01:22.34 ID:7XpzpOnTO
しばらくプランタの中を覗き込んだ後、顔を上げて空を見た。
秋晴れの空には、細かにちぎれた雲が列状に行儀よく並んでいる。
そのうち雨が降るかもしれないし、降らないかもしれない。
ベランダから部屋の中を見れば、面白みのない僕の部屋が見渡せた。
部屋を借りたときの状態に、生活に必要なものを持ち込んだ空間。
趣味などもないため特色もない。趣味ももたない味気ない人間なのだ。
しかし、彼女の痕跡がまだ部屋には残っている。
彼女は確かにこの部屋にいて、そして僕の隣にいた。
風が吹いた。
冷気を含んだ風は、半袖シャツから零れた腕の表皮から熱を奪っていった。
もう秋になってしまった。
彼女が隣にいた夏は終わった。
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