20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/11/05(水) 20:49:45.06 ID:7XpzpOnTO
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夏休みも終わりに近づいて、僕はいい加減地元に帰省することにした。
帰るのにもそれなりに金がかかるし、億劫だったから、盆も帰らなかったけれど、母親が帰省しないならもう仕送りをしないと脅してきた。
悩んだ末に僕は彼女に合鍵を渡した。
どうせ貴重品は持っていくし、彼女が花に水を遣れなくなっては困るだろうと思った。
帰省する間だけ、持ち帰ってもらってもよかったけれど、僕は出来るなら僕のベランダで彼女の夢の花を咲かせてほしかった。
それに、動かしたせいで、今にも開きそうな蕾が落ちたりしてほしくなかった。
「鍵はしっかりかけてよ」
「うん、しばらくお別れだね」
そう言って少し辛そうに笑う彼女を見て、胸騒ぎがした。
「戻ってきたらさ、花火を見に行こう」
僕は胸騒ぎを払拭するためにそう提案した。
「今の時期にやってる花火大会ってあるの……」
「探すよ。なかったら自分たちで買って花火をしよう」
彼女は肯いて了承してくれた。
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