過去ログ - 京太郎「修羅場ラヴァーズ」 淡「あーいらーぶゆー」
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◆fUP.t6E/JbsR
[saga]
2014/11/06(木) 02:15:05.65 ID:2dUWY7onO
京太郎。洋榎の大好きな男子。
一緒に遊ぶ幼馴染から、初恋の人に変わったのはいつからだったか。
ただ、京太郎の目線は母に向けられていたから――母のようになれば良いと思った。
誰よりも強い雀士になれば、振り向いてくれると思った。
「……」
だが、今は。
その目線が、妹に向けられている。
何もしてこなかった、妹に。
「……ま、そりゃそうか」
洋榎も、頭ではわかってはいる。
妹は何も悪くない。
だから、絹恵に直接この気持ちをぶつけることができない。
尊敬と信頼の眼差しを向ける妹に、醜い情念を向けられない。
「こんなんやから、ダメやねんなぁ」
臆病な自分は、母には似ても似つかず。
女としての魅力は、妹に及ばない。
わかってはいる、わかってはいるが――
「おねーちゃん? おかーさんが、ゴハンやって」
「……ん。わかったー」
――やめられない。
扉越しに声をかけてくる妹に返事をしながらも、写真に映る恋敵を痛め付けなければ、気が済まない。
降り積もる想いを吐き出す場所を、漸く見付けられたのだから。
「……お、この匂いは唐揚げか! すぐ行くで!」
だから、洋榎は絹恵の姉でいることができる。
自分の中で、気持ち悪い感情が育っているのを感じながら。
洋榎は、絹恵の姉で有り続けた。
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