過去ログ - 黒神めだか「ふむ、ここが学園都市か」
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[saga]
2014/11/07(金) 02:58:28.57 ID:VGfIVQcvO
それから、どこまでも人外に近い男は、切々と説いた。
「私が彼女に会った時の話は……もう、いいだろう人間が人外に出遭ってしまっただけさ」
「女子高生としては、そういった話に興味があるところなんですが」
「もう君は学園理事長だろう?それに色恋沙汰なんかじゃない、むしろ殺傷沙汰のが近しい出遭いだったと記憶しているよ」
「けれど、あなた方は」
「奇妙だけれどね、友人だったよ」
段々と曖昧だった人類最大が定まっていく。
「楽しかった、あの頃は……何もかもが」
青春を謳歌する。
「強国を滅ぼし、弱者を救い、悪鬼を説き伏せ、正義を切り捨てた」
学生のように。
「けれど、彼女は」
「ああ、自殺しようとしていた」
安心院なじみ。
人外は、人間のように、繊細で、弱かった。
「彼女の自殺を止めるには、『彼女と同じステージ』に立つ必要があった」
「そう、説き伏せるにはね。英雄か、主人公か、同じ……人外である必要があった」
獅子目言彦のような英雄か。
黒神めだかのような主人公か。
安心院なじみのような人外である必要が。
「私は……どれにも生(な)れなかった。為(な)ることはできたけれど、それでは彼女と並び立てなかった。結局、友人ではあったが、私と彼女には差があったのさ。対等ではない、並び立てない差がね」
「姉妹校ではなく、親子校というわけですか」
「ふふ、傑作だね。それから私は、それだけを目的にして生きてきた……いや、死から逃れた。命題さ」
「『神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの』」
「そう、私は……彼女を」
分かってあげたかった、と。
同じように苦しみたかった、と。
そして自殺を止めたかった、と。
アレイスター=クロウリーはただ、悔いていた。
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