過去ログ - 京太郎「閉ざされた扉」
1- 20
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/07(金) 16:36:31.40 ID:Ez/UEZyn0



「久しぶりだな。最後に会ったのはいつだ?」



向かった先、白糸台高校の職員室

他に人影はなく、空調の音だけが聞こえる部屋に

俺を待ち受けていたのは

『そのうちハゲそうな苦労人臭のする凛とした美人』だ

かつて幼馴染がそう評していた少女は

加齢を感じさせないそのままの姿で仏頂面をしていた


京太郎「弘世先輩……いえ、弘世教諭ですね。貴方が引退して以来です」

菫「だとすると、10年は前か」


10年。3650日、いや閏年を考慮すると3653日か

何時の間にやらそんなに時間が経っていたのか

今まで意識していなかったことだけに

少しどころじゃない驚愕に包まれたのだが

目の前にいる妙齢の女性は俺の態度よりも

別の所に並々ならぬ興味が向いているようで


菫「お前、結婚したのか」

京太郎「えっ? あ、えぇ……」


出てきた言葉の内容の不意打ち加減に

素っ頓狂な声を上げて肯定するしかできなかった

彼女が目敏くも見つけたのはこれなんだろう

左の薬指にはめた簡素な指輪を撫でる

将来を誓い合った証として指輪を交換する

ギリシャで生まれ、ローマで広まり

ヨーロッパで流布した後は世界中で一般化した儀式

ドイツでは交換の仕方によって

亭主関白になるかかかあ天下になるか、なんて

迷信もあるくらいだ

有名なファンタジー作品のキーアイテムにもなっている

……そうなんだよなー

俺自身も、まさか結婚なんてするとは思ってなかった

特に10年前、ここに在籍して青春を謳歌していた頃には





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
102Res/37.84 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice