過去ログ - 【咲】京太郎「目が覚めたら十年後だった」【安価】
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18: ◆phFWXDIq6U[saga]
2014/11/09(日) 06:16:12.57 ID:R+f0GkbXo

京太郎「…ごめん。モモ。鏡とか持ってないか?」

モモ「あるっすよ。はい」スッ

京太郎「…ありがとう」

…正直、ここから先を見るのは怖い。
だけど、こうして俺に説明するモモに嘘を吐いている様子はまったくないんだ。
少なくとも彼女の主観では間違いなく事実を言っている。
それが俺の記憶とすれ違っているのは恐らく… ――

京太郎「…………あぁ」

―― …鏡の中に映っていたのはまったく知らない男の顔だった。

無論、見覚えはある。
それはオヤジの面影を微かに残した青年の顔なのだから。
まるで俺の兄貴のようにそっくりなそれが、今、俺が持つ手鏡に映っている。
……もう疑う余地はない。
東横さん(仮)が言っている事は事実で…間違っているのは俺の方なんだ。

モモ「…京さん?」

京太郎「…モモ、先生を呼んでくれるか?」

モモ「あ…そうっすね。京さんが目を覚ましてくれた事が嬉しくてすっかり忘れてたっす」ニコニコ

京太郎「…っ」

幸せそうな彼女の顔に俺の胸が痛んだ。
きっと彼女は本当に東横さんなのだろう。
その笑顔は加治木さんの隣で何度か見た事があるものだった。
一体、どういった経緯があったのかは分からないが、彼女は本当に俺の恋人で、俺の無事を喜んでくれている。
…そんな彼女に「俺はここ最近の記憶を全て失ってしまいました」なんて言える勇気は俺にはなかった。



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