過去ログ - 【咲】京太郎「目が覚めたら十年後だった」【安価】
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◆phFWXDIq6U
[saga]
2014/11/09(日) 05:22:40.04 ID:R+f0GkbXo
―― 俺には一人の幼馴染が居た。
宮永咲と言う名のその幼馴染は色々と放っておけない奴だった。
知らない道を歩けばすぐ迷子になる。
人見知りが激しすぎてあまり人と話せない。
低血圧で朝も中々、起きられず、俺が起こしに行く事もザラだった。
勿論、意外と家庭的だったり良いところは沢山あるが、それと同じくらいに欠点も多い。
俺にとって宮永咲とはそういう相手だったのである。
―― けれど、そいつは俺が知らないだけで凄い奴だった。
麻雀という運の要素が強いゲームで連続プラスマイナスゼロ。
それがどれだけあり得ない事かなんて初心者である俺にだって分かる。
そんなの狙ってやろうとしてもほんの一つの誤差によってあっさり狂ってしまうのだから。
だけど…それを咲はやった。
俺がポンコツと思っていた幼馴染は、コイツは俺がいなきゃダメだと思ってた奴はそれを俺の目の前で成し遂げたのである。
―― それからは…まぁ、色々あった。
咲の入部に対して和が良い顔をしなかったり…いつの間にか二人が仲が良すぎるくらい良くなっていたり。
皆で優希の為にタコスを作ろうとして悲惨な結果になったり…皆で合宿したり。
咲の入部によって俺が牌を握る機会は減ったけれど、その日々は決して悪いものじゃなかった。
人見知りだった咲に友人が出来るのは嬉しかったし…それに麻雀部の皆は良い奴ばっかりだったから。
―― でも、ただ良い奴ってだけじゃなくて凄い奴でもあったんだよな。
ついこの間まで麻雀なんて興味もなかった俺は知らなかったが、長野は女子校生雀士にとって魔境と呼ばれるような環境だったらしい。
長年、インターハイへの切符を握り続けた名門風越。
そしてその風越に勝ち、去年インターハイ進出を決めた龍門渕。
その二つがしのぎを削る県予選は、どちらかがインターハイへと勝ち進むものだと思われていた。
けれど、実際にインターハイへの切符を掴んだのは風越でも龍門渕でもない。
2ヶ月前まで団体戦にすら登録出来ないくらい部員のいなかった俺達、清澄だったのである。
―― その喜びを皆で分かち合って、少しした頃には…。
練習、合宿また練習。
インターハイ出場を決めて、安心している余裕なんて無名校の俺達にはなかった。
清澄の大躍進の影で泣いている高校の為にも無様な姿は見せられない。
そう自分に言い聞かせるように皆は麻雀へと打ち込んだ。
今まで以上とはっきり言えるその姿は雑用として付き合っているだけの俺にも気合が入ってしまったくらいである。
―― そして東京へ。
多くの人の期待と想いを背負って、インターハイの会場へ。
その道中には俺も付きあわせて貰える事になった。
部長は荷物持ちだなんて冗談めかして言っていたけれど、なんだかんだ言って俺に気を遣ってくれているのだろう。
ならば、俺に出来るのはそんな風に気を遣ってくれている部長たちに今まで以上に尽くす事。
そう思いながら東京の地に初めて足を踏み入れた瞬間、俺の意識は途切れ… ――
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