過去ログ - 十神「愚民が…!」腐川「医者なら救ってみなさいよ、ドクターK!」ジェノ「カルテ.5ォ!」
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169: ◆takaJZRsBc[saga]
2014/12/17(水) 23:28:07.13 ID:Lx6/+Yo70

「余計なことを言った。今のは忘れて欲しい」

「…………」


聞いたことがある。大神は由緒正しい道場の跡継ぎとして生まれたが、女であるというだけで
無用な蔑みを受け、それらを跳ね退けるために人並み以上の修行を積んできた、と。

大神の隠したい秘密は中学の時の写真だった。年頃の少女だ。好きな人もいたのかもしれないし、
恋愛だって普通にしたかったのかもしれない。だが、一族の宿願である世界最強の称号を得るため、
彼女は女としての幸せを捨て生きてきた。その葛藤は男のKAZUYAには永遠にわからないものだ。


「……俺も一族が持つ宿命の重みと言う奴はそれなりにわかっているつもりだが、それでも
 今まで君がどれほどの葛藤や苦悩を抱えていたかは、きっと半分も理解出来ていないだろう」

「…………」

「ただ、な……君の力は今まで多くの人を助けていたはずだし、これからもっとたくさんの人の
 役に立てると思う。失ったものは少なくないかもしれないが、いつかそれ以上のものを得られるはずだ」

「宿命どころかちっぽけな義務すら背負えずに逃げ出す人間も多い中、自分の運命に
 真っ向から挑んで乗り越えた君は本当に凄いし素晴らしい。……と俺は思う」

「…………」

「君の長い人生のうち、たった一月共に過ごしただけの男が言ってもさして重みはないかもしれないが……」

「いえ……」


大神は目を閉じ、大きく息を吐く。KAZUYAもそれ以上は話さなかった。


「……そう言ってもらえれば、我も救われます。さあ、続きを」

「あぁ」


その後しばらく、二人の熱い組み手は続いた。




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