過去ログ - 十神「愚民が…!」腐川「医者なら救ってみなさいよ、ドクターK!」ジェノ「カルテ.5ォ!」
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411: ◆takaJZRsBc[saga]
2015/02/23(月) 01:52:32.20 ID:nIwnG3Xc0

「確か尾津美奈子は病気だったはず。そのために演技では再現出来ないような繊細な表情や
 儚さを出せたとのことですが……その背後には西城先生がいらっしゃったのですね」

「監督が、身贔屓ではなく純粋に彼女でなければこの役は出来ないと豪語していたよ」

「ですが先生らしくありませんわね。病人にそんな無理をさせるなんて」


もう一月も共に暮らし、KAZUYAが何に怒り何に悲しんできたかをまざまざと見てきた
セレスにとって当然の疑問だ。KAZUYAはそっと目を伏せて静かに答える。


「俺は反対したんだがな。……彼女の病、心臓弁膜症は非常に重度だった。いつ大きな発作が起こっても
 おかしくない、それくらい危険な状態だった。彼女の病名を告げた時、船医から怒られたし呆れられたよ」


心臓弁膜症:心臓には血液の逆流を防ぐため四つの弁があり、それらが必要に応じて
       開閉しているのだが、その弁が変形したり機能不全を起こす病気のことを言う。
       

「……なら、何故?」

「監督が娘に無理強いしているだけだったら俺は意地でも船に乗せなかったが、尾津美奈子本人の
 強い要望があってな。俺が止めてもこの子はきっと乗るだろう、と。……やむを得なかったんだ」

「そうですの。……確かその撮影の時に事故がありましたわよね?」

「そうだ。事故で尾津監督は亡くなり、息子の尾津慎一も重傷を負った。俺は監督の心肺を慎一に移植し、
 慎一の心臓を美奈子に移植した。その後、慎一が立派に跡を引き継いであの映画は完成したんだ」




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