10: ◆jma3vRngk.Px[saga]
2014/11/20(木) 05:03:08.93 ID:SGK+dpDH0
おねえさんから許可を得た俺は、要塞の一階に足を踏み入れていた。木材トイレ変わるように、古い家電製品や、不用物の押し込められた段ボール箱置き場になっていた。
段ボール箱を少し移動させ、鉄製のハシゴを上る。昔よりサビが酷くなっていて、ザラザラ感が増しているような気がした。
二階はあまり上ることがないのか、それほど当時と変わっているような感じはしない。学校から拝借したチョークで書かれた(あの頃の俺たちが書ける一番綺麗な文字だったが、今見ると、それほど綺麗でもない)「おれたちのヒミツきち」という文字すら、うっすらと残っていた。
窓穴から顔を出す。小さな頃はあんなに高く、広く感じられた景色も、「まあこの高さならこんなもんだろうな」という感想しか浮かばなかった。
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